荷がおもい
尊敬する先輩が、ご両親の介護の為に会社を辞めることになった。
会社にとっても必要な即戦力。彼女がいなかったから多分かなりの損失になる。
何を聞いても分からないことはない。お客様から頼まれたことはNOを言わない。
これが鉄則だというのをいつも私達に教えてくれた。
最後に、あなたに渡したいものがあると言って手渡された10冊のノート。
中には何千人何万人のお客様一人一人のデータが書いてあったのだ。
○×さん:胃がん 食事は特別メニュー。体調のことには触れない
○△さん:糖尿病 脂物、お酒は禁止。万が一要求されてもやんわりとお断り
◇×さん:先月にヘルニア手術。椅子席にご案内
などなど、1度しか会っていない人。多分二度と来ないであろうと思われる人データでさえも詳細に書かれている。
彼女の人生が詰まった1冊。こんなものもらうわけにはいかない。
しかもこんないい加減な私に。 それでもこれを受け継いでこの会社を支えてね。と言われて涙が出てきた。
親の介護は仕方がない。ただ子供や家族に負担がかかるなんて納得できない。彼女の人生はこんなことで閉ざされてもいいのだろうか。
誰を恨むわけではないがとても虚しく思えてきた。
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